僕等と恋をしよう。



別れがこんなにもつらいものだなんて思わなかった。




「しょうがないよ、壱吾君イケメンだからモテるし。正直なとこ、つぼみにはもったいなかったもん」



元々凛はさばさばした性格だからか、あたしが失恋したというにも関わらず

ずっと気にしていたことをずばずば言ってくる。




……普通は親友が失恋したら励ますのが常識だと思うんだけど。




「壱吾君のことは忘れて新しい恋しなよ。恋を忘れるには新しい恋をするのが一番!」

『…当分恋はいいよ』



ため息混じりに本音を漏らし、時間が経って氷が溶けかかっているオレンジジュースを一口飲む。




壱吾を忘れるためにする恋なんて恋じゃない。






そんな恋をするくらいなら



ずっと壱吾を好きでいる方がましだよ。


 

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