太陽の下で





「雨ってすごいな

いつもの景色も全然違うものみたいだ…。」




「そうだね。」


目を見てニッコリ笑う彼女に

不覚にもドキドキして

それをごまかすように話しを続けた。




「あ、俺んちあそこらへんだ。」




「ほんとっ?結構遠いんだね。」





彼女は

どうして俺が土砂降りのなかこんな遠くまで来たのかは一切聞かなかった。




なにも言わずに

幸せのおすそ分け。





といってこの場所につれてきてくれた。





だから俺も

どうしてこんな雨の日に一人でいるのかは聞かなかった。





いや、

聞けなかった。




この答えを聞いたら

彼女が消えていなくなっちゃう気がした。






さっきまではうっとしかった雨音は

今では心地の良いリズムを作って

心の中に流れていた。





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