太陽の下で





「大丈夫?」

彼女は笑いながら

俺に手を差し伸べた。

不思議と素直に手を伸ばしてる俺がいた。





「あ、うん…」





白いビニールの手袋をはめた手を

俺は握り返したちあがった。




完全防水だな…。


改めて彼女を見ると

真っ黒の大きな傘を持ち

真っ赤なカッパは

まるでてるてるぼうずみたいだった。





俺のそんな視線に気づいたのか

彼女は少し首を傾げ話し出した。





「風邪。」




「え?」




「風邪ひきたいの?」




「あ…うん、そうかもな。」



「ぷっおかしい。」




「え…あ~そうだね

俺はおかしいかもしれない。」



「あははっ自覚あるんだ」





初対面なのに

人なつっこい笑顔で笑いかけてくる彼女を見てると

自然と笑顔になれた。





< 9 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop