太陽の下で
「大丈夫?」
彼女は笑いながら
俺に手を差し伸べた。
不思議と素直に手を伸ばしてる俺がいた。
「あ、うん…」
白いビニールの手袋をはめた手を
俺は握り返したちあがった。
完全防水だな…。
改めて彼女を見ると
真っ黒の大きな傘を持ち
真っ赤なカッパは
まるでてるてるぼうずみたいだった。
俺のそんな視線に気づいたのか
彼女は少し首を傾げ話し出した。
「風邪。」
「え?」
「風邪ひきたいの?」
「あ…うん、そうかもな。」
「ぷっおかしい。」
「え…あ~そうだね
俺はおかしいかもしれない。」
「あははっ自覚あるんだ」
初対面なのに
人なつっこい笑顔で笑いかけてくる彼女を見てると
自然と笑顔になれた。