男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
「・・・何してんだよ」
『へ??』
「倉庫行くっつってんだよ」
『はぁ…いってらっしゃい』
「バカか、お前も行くんだよ」
『あっ、そんな事言ってたね!!
・・・私バイク持ってないよ??』
「だから待ってやってんだろうが、早く来い」
待っててくれちゃった感じですか!!
意外に優しいのね、総長様!!
裏切り者の皇も帰っちゃったし、繁華街から寮までけっこうな距離がある。
逃げようにも、バイクVS走りなんて、勝ち目がない。
世界一の足を持つ、黄色いユニフォームの彼なら勝てるかもだけど、しょせん藩閥政治。
たかが知れてますわな。
だから仕方がなく、ほんとうに仕方なく綾のバイクの後ろに乗せてもらった。
「・・・掴まってろ」
『はぁ…』
お腹に手を回さなきゃ…なんですけど、なんだか気が引ける。
ので、服の裾をつかんでたら、死にてぇのか、とキレられた。
なんだよ~
ちょっと恋愛小説っぽい乙女チックな展開をやってみたかっただけだよ~。
”おぃ、ちゃんと手ぇ回せよ”
”えっ、でもぉ~・・・”
”何恥ずかしがってんだよ”
”べっ、別に恥ずかしがってなんか///”
”いいから、絶対離すんじゃねぇゾ?”
”分かった…絶対離さないね?”
みたいな感じになったら面白いかな~って思っただけだよ。
「死にてぇのか」なんて言葉は期待してないんだよ、決してな!!