男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
う~ん、そろそろ帰りたくなってきた。
用事がないなら、帰らしてもらえないかな。
『あ、あの~…』
「あぁ?」
怖っ!!
なんでそんなに睨むの?!
目つき悪いだけか??それとも近視で見えないのか?!
しょうがない。
後で、眼鏡買ってあげよう。
『そろそろ帰りたいな~、なんて…』
「無理だな」
『なっ、なんでよ』
「まだ用事が終わってねぇ」
『じゃぁ、早く済ませよう。
今すぐ済ませよう、たちどころに済ませよう』
そしてそのまま家に帰ろう!!
バイクがないとか、そんなの関係ない。
このままここにいたら、絶対何かしらバレる!!
ドキドキと早鐘を打つ心臓をなんとか抑えて、平常心を保ち、向い側に座る綾を見る。
綾は、ソファに深く座り込み、足を組んで私を軽く見下ろしてくる。
その姿は、ムカつくけどかっこいい。
花の15歳、無駄に意識してしまうかもしれなくもなくもない。(確率結構低い)
どうでもいいけど、足長ぇな、おぃ。
うらやましいぞ、コノヤロー。
「聞きたいことがいくつかある」
『・・・・・・』
来た!!絶対、私の素性に関しての質問攻めだ!!
ど、どどどどうしよう・・・
絶対墓穴掘る。
言わなくていいことまで言っちゃいそうだ。
ポーカーフェイスなんて、皇の仕事だから、平静を装うなんて器用なこと、全然できないし。
ハッ!!でも逆を言えば、これさえ切り抜ければ老後も安泰??!