男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
しばらく目をつぶって何かを考える素振りの綾。
・・・ってか寝てる??
ということは、逃げてることにすら気づかない!!!
つまり、今が絶好の脱走の機会?!?
目を瞑る綾に気付かれないように、そーっとソファから立ち上がり、ドアの方へと歩こうとすると…
「なんで俺の本名、知ってんだ?」
『ぎゃぁぁぁぁぁ!!!』
「うるさいぞ。
・・・何逃げようとしてんだよ」
『あはっ、あはははは…??』
そりゃそうか。そんな短時間で寝るわきゃないわな。
大人しく元いた場所(ソファ)に戻ろうとしたら
グイッ
『ぎゃぁ!!』
急に手を引っ張られて、なぜか逆側のソファに座らされた。
つまり、綾が座ってるソファに…
『…って、なんでこっち?!
私さっきまで、あっちに座ってたよ??!』
「フッ 色気のねぇやつ」
『今さらかい!!私のセリフの前に言うべきだろ、それ!!』
なんだか会話が繋がってない!!
宇宙人と喋ってるみたいで、疲れる!!
「お前、逃げるから」
『だからって、なんであんたの横に座らにゃならんのだ』
「・・・現行犯逮捕??」
『私にきくなっ!!』
「あぁ、それだ。逮捕だ、逮捕」
『ちょっと、この不思議キャラなんとかしてぇ~!!』