男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】


「逮捕だ」とかぬかして私の手首を捕まえる綾。

ほんとに、お前は何がしたいんだ。



警察ごっこですか?

手錠の代わりに手首持つのはいいけど、自分の握力考えてください。


手ぇ、紫になってるんですけど!!

ここまで不思議キャラだとは思わなかったぞ。






「で、なんでだ?」


『何がだよ。私の方がなんで?だわ』


「なんでだ。」


『手!!掴まれてるのに疑問を持って…』


「お前の疑問なんかどうでもいい。

なんで俺の本名知ってんのか聞いてんだけど?」


『そっちかいぃぃぃ!!

単語ばっか喋りやがって、紛らわしいんじゃ!!



ってかもう疲れた!!なんかすっごい疲れた!!

落ち着け、いったん落ち着こう!!』


「お前が落ち着け」


『確かになっ!!』





どんどん綾のペースに嵌ってる私。

落ち着かないと、延々とボケとツッコミの会話になってしまう。




『ふぅ~…』


「落ち着いたか?」


『大体~…で、なんだっけ?』


「俺の本名」


『あぁ、綾??いい名前だね!』


「ちっげぇよ、乾燥述べられてもうれしくねぇ」


『ぶっきらぼう感出てるけど、乾燥じゃないよ、”感想”だよ。

ボケキャラは続行されてましたか』


「いいから答えろっつの」





さして照れるわけでもなく、会話を続行させようとする綾。


お前の心は鋼ですか。

今はやりのオートメイルですか!!



『ほら、風の噂?みたいな。

赤アゲハだと、色々情報が入ってくんのよ』


「へ~…便利だな」


『だろ。IT革命万歳だよ』


「便利だな~」


『なんだっ、ちょっと羨ましいのか??』


「いや、別に。

俺らは”信頼できる”とこから直接聞けるし??」


『はぁ~?何それ、対抗心燃やしまくりですか?

やるならやるぞ、このやろー』



さっきから思うんだけど、私たち、幼稚園児みたいなケンカしてるよね。


高1のする口げんかじゃないよね!!


< 118 / 343 >

この作品をシェア

pagetop