男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
その中からコーラとカルピスをひっつかんで、綾のもとへと戻る。
『お前な~、話しかけてんのに答えろよ~
・・・って、どうした??』
綾は、手に定期入れみたいなのを持って、それをじっと見てる。
喋りかけても反応がない。
屍どころか、まるで人形だ。
顔がきれいだから、フランスかロシアの人形ね。
「・・・・・・グルッ」
『・・・ヒィッ∑』
じーっと定期を見てた綾は、首をまわして目を大きく開いたまま、次はこっちをじーっと見てきた。
その様は、まるで人形が首を回転させるがごとく、めちゃくちゃ怖い!!
フランス人形どころか、蝋人形だ。
シンデレラから白雪姫並の格下げ度だ。
↑(白雪姫に失礼)
『・・・ど、どうしたんだ?コーラ持って来たぞ?』
「・・・・・・蓮条?」
『おぅ、蓮条だ』
「……連条?」
『草冠、忘れないで貰えます?』
「・・・・・・」
また黙りこんで定期を見る。
そんなに面白い定期なのかと思い、綾の手元を覗き込むと…
『・・・えっ』
「・・・・・・」
そこには、見覚えのある写真と、そいつの名前、生年月日が書かれた紙が。
つまりは”生徒手帳”があった。