男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
壁際まで追い込まれた私の腕をつかむ綾。
その顔は、まだ悪魔の笑みが浮かんでて…。
こいつなんか悪いこと企んでやがる!!
「蓮条は昨日、ずっと俺らといたはずだけどな」
『あっ、朝に来たんだ!』
「お前、学校だったんだろ?」
『さぼりました~!!私不良っ子だもん!!』
「はぁ~…見苦しいぞ、変態蓮条クン」
『その呼び方やめろ!!』
「お前が”蓮条 ユウ”なら辻褄が合うんだよ。
電話に出ねぇわけも、俺の名前知ってんのも、生徒手帳も」
『辻褄が合わないからこそ、推理小説は面白いんだと思う!!』
「ばっか、ラブコメに推理はいらねぇ」
『えぇっ、これってラブコメだったのか??!』
「しょうがねぇな・・・」
ズバズバと私を責めてくる綾。
錆び始めた私の頭をなんとかフル回転させて、言い逃れるが、それも限界が近い。
ついでに綾の顔も、近い。
こんな至近距離で見つめられると、顔が熱くて思考回路がショートするっ!!
必死に目をそらす私に、悪魔は最悪の選択肢を投げかける。
「ほんとのことを言うか、キスされるか・・・
どっちが『どっちもいや///』
「チッ 即答かよ」
『嫌なもんはいや!!』
色仕掛けに負けると思ったら、大間違いだぞ~。
でも、あと一回その低い声で囁かれたら、きっと大変なことになる。
私、暴れ出すぞ。