男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
脳内で意味不明な脅しをしていた私は、いつの間にか離れていた綾に気付かなかった。
綾は、ケータイをいじりながらソファへと座り、突っ立ってる私をバカにするように笑った。
「おぃ、顔赤いぞ?(笑)」
『黙れ、ボケキャラ。
こんな時こそあの不思議キャラを発揮しろ』
「お前、女のくせに口悪いな」
『環境がそうだったから、しょうがねぇ』
「もっと、オシトヤカにしろよ?」
『オシトヤカにしても、得することなんかねぇよ』
「顔だけだったらモテただろうにな。ご愁傷様」
『うるっせぇよ!!なんでお前にそんなこと言われなきゃ…』
―――プルルルルル♪
綾に言い返そうとしたとき、ポケットの中の携帯が振動した。
あぁもう、誰だよこんな時に!!
私は何も考えず、電話にでた。
『はい、もしもしっ??!』
・・・ナンバーディスプレイも見ずに。
”・・・・・・”
『ちょっと誰ですか~、今立て込んでんだけど』
相手は無言。いたずら電話かっ!!
”お前って、つくづくバカだよな”
『はぁっ?』
なんだこいつ、いきなりバカにしてきやがった!!
『なんでバカにされなきゃ…』
言い返す言葉を途中で呑み込んだ。
今、どっから声聞こえた??
っつかこの声・・・
ギギギギギと音が出そうなほどゆっくりとソファを振り向いた。