男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
”「だから言っただろ?
<オシトヤカ>にしろよ、って」”
ソファにいる男は携帯で喋ってて。
だけどコイツが言ってることが、私の携帯から聞こえてきて??
『なっ、ななななな…』
”「ナンバー見てたら、まだもうちょっと粘れたのになぁ」”
粘れた、というのは言い訳のことだろうか。
私はすぐさま通話を終了させ、着信履歴を見る。
履歴の最初には、今の時間と
<リョウ>の3文字が。
『なんで私の携帯番号知ってんの??!』
「あぁ?お前のなんかしらねぇよ」
『だ、だって電話・・・』
ミラクル?!適当に番号押したら掛っちゃった☆的な奇跡が起ったの??!
不可解な現象にうろたえる私を見て、綾は楽しそうにい笑って、自分の携帯を私に見せてくる。
『・・・っ!!!』
画面をみて、私は絶句する。
「お前のはしらねぇ」
もう一度、念を押すように言ってくる綾。
私がみたのは、綾の発信履歴。
一番上には”蓮条 ユウ”と書かれていた。
『とっ、とんだ作詞野郎だな、お前!!』
「”策士”な。お前こそボケキャラじゃねぇかよ、蓮条??」
『~っ!!!』
「女みてぇだとは思ってたが、まさかほんとに女だったとはな」
『うるせぇ!!』
嵌められた!!!
赤アゲハがユウだと確信した綾。
それに反し、私はこれ以上言い逃れる術を持たない。
(終わった・・・)