男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
泣きたくないのに、勝手に視界がぼやける。
泣き顔見られるとか、ほんと最悪。
「ほらユウ、ティッシュ使って?」
『ありがとうございます~・・・』
差し出されたティッシュで鼻をかむ。
そしてそれを丸めてるとき、異変に気がついた。
・・・誰からティッシュもらった?
敬語?しかもポケットティッシュ??!
綾がそんなの持ってるはずないし、敬語使うはずがない。
間違えた、敬語使ったのは私だ。
一体、誰が??!
恐る恐る顔を上げると、そこには爽やかな笑みを浮かべる・・・
『のっ、希??!』
「うん、希だよ」
『じゃなくて・・・・・・希?!
っていうか、希??!
え~っと…希??!』
なんで希がいるの??!
「何回繰り返すんだよ、バカかお前」
「いやぁ、女の子の格好してると分からないもんだねぇ」
「喋り方が残念だけどな!」
『千歳と翼??!』
「おぃゴラ。なんで今俺抜かした?」
『何で3人ともいるの…』
「だから何で俺を抜かすんだっつの!!」
ってか、女の子??ユウって言った?
まさか、さっきの話聞かれてましたか?!
「悪いとは思ったんだけど、全部聞いてた(笑)」
盗み聞き?盗聴?!
希が爽やかに笑って、とんでもないことを言った。
『えぇぇっ、どっからどこまで??!』
「綾と二人になったとこから、泣いてるとこまで」
くそぅ、寮の部屋の盗聴器探す前に、この部屋の盗聴器を探さねばならなかったのか!!