男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
<ダメダメダメ!!絶対だめ!!休みなさい、その遠足!!
っていうか、遠足って普通日帰りでしょうが、なんで泊まりがけなんだ?!ありえないでしょ、ユウちゃんは女の子なんだよ、自覚してる!?言葉遣いも雑だし、服装も男の子っぽいし、胸もないけど女の子なんだよ?!?!ちょっと聞いてるユウちゃ…>



――――プツッ

『・・・よし、着信拒否設定完了』




実の娘に言う内容じゃないでしょう、今の。




「おぃ、音でけぇよ」


『んぁ?なんの?』


「受話音量。俺の部屋まで聞こえるぞ」

『あぁ悪いな。バカな親父がうるさくて』


「親父?ホームシックか?」


『まさか。遠足で泊まりに行くって言わなきゃ、赤アゲハの仕事、バカバカ入れてくるから報告をね』


「へぇ〜・・・仕事って、具体的に何してんだ?」



向いのソファに腰をおろして、手に持っていたコーラを飲みほす綾。



もぉ〜思いっきし話聞く準備万端じゃないっすか。




『う〜む。キャッチフレーズは、”街の平和を守る、血も涙もない赤アゲハ”』


「おっそろしいキャッチフレーズだな」


『うん。考えたのは、皇だから』


フフフフフフ…って笑いながら、掲示板に書き込んでたな。

我が兄ながら、恐ろしい・・・。



「平和・・・守ってんのか?」


『守ってますとも!


喧嘩が起これば、両成敗(参加したいだけ)

クスリとか犯罪に走ってる野郎どもに制裁(のちしょっぴきます)

繁華街の痴話げんかにはノータッチ(昼ドラどろどろ嫌いです)



そんな感じで頑張ってます』


「ぐだぐだだな。しかもしょっ引くって・・・」


『お巡りさんを、呼びます』


「ホントにしょっ引くって言ってるやつ、初めてみた」


『そっちかぃ!!お前らも気ぃつけろよ?

少しでも情報が来たら、そっこーしょっ引くから』


「あぁ、肝に銘じとく。ところで、なんで赤アゲハんかやってんだ?」




質問多いな、もう〜

謎に包まれる女の魅力が、わかってないわね!!



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