男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
…――――――――


『有名すぎるのも、どうかと思うわけよ』


「何、突然」


『ん?名前聞いただけで逃げて行かれるからさ、有名すぎるのもどうかと思ったわけよ』


「自分有名です、って言ってるようなもんだぞ?!」


『自分、有名ですから』


「うっざ!!この人を見下したような視線、うざ!!」


「どうでもいいけど、千歳。気分悪くなっちゃうよ?」


「車酔いに負かされてたまるかっ!!」



「松岡ぁぁぁあぁ!!ちゃんと席に座ってろぉぉぉ!!」



「うげっ、片岡こわっ」







バスです。ただいまバスの中です。

今日は、遠足の日。なんでか一台のバスに、A組が全員のってます。


ちなみに私、車酔いは絶対しません。

本を読んでても問題なし!





『ってかさ~、なんでバスで移動してんだ?

行くところは別々なんだろ?』


「とりあえず空港までは一緒に行こう、みたいな?」


『えっ、飛行機乗るのか?!』


「俺らはのらねぇ」


「乗るよ、バカ千歳」


『何嘘ぶっこいてんだぁぁぁ!!!』


「えっ、春臣がのらねぇって言ってたぞ?!」


「乗らなきゃ行けないとこを予約した」


『・・・パスポートは持ってきてないぞ?』


「当たり前。なんでわざわざ外国に行かなきゃいけないの」



よかった、まだ範囲は国内だ。


まだ。



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