男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】

~翌朝~



―エントランス―





「ふわぁ~っ、よく寝た!!」


「あの布団、めっちゃあったかいな!!」


「でしょ?俺の部屋も、あの布団にして貰ってるんだ」


「桜李もか?」


「んにゃ、違う。俺、あの布団暑苦しくて嫌いだ・・・」


「翼、元気そうでよかったよ」


「お?おぉ、さんきゅーな!!実際のとこ、風呂沸かしに行った後から、何にも覚えてねぇンだよな!!」


「じゃ、その謎を解明するために、今日も翼が風呂当番で」


「なんで?!ちょっとは俺のこと気遣おうよ!!」





・・・平和です。





「あれ、ユウ。顔色悪いよ?」


『気のせいじゃないっすかね~』


「ってか昨日、お前どこで寝たんだよ」


『古ぼけた部屋』


「へっ?希、あの部屋つかわせたのか?」


「うん、面白いと思って」


「あぁ~ユウどんまいっ!あの部屋、色々噂あるからな~」


『その噂、ちょっと聞いても宜しいかしら?』






輝くような桜李の笑顔にイラッとした私は、桜李の首に腕をかけて、思いっきり引っ張った。





「いででででっ!!く、くるしっ・・・」


『そのまま気絶しちまえばいいのに~』


「いやいや、冗談抜きで苦し・・・」


『あぁ~、昨日めっちゃ怖かった。


窓ガタガタ言うし、電気もつかないし、スタンドもなんでか倒れちゃうし?


布団の中も誰かいたらどうしようって、怖くて寝返りも打てないし?


鏡に誰か映ってたらどうしようって、目も開けらんないし?』


「ぎゃぁぁぁっ!!なんで俺が怖い話聞かされてんの?!

あの部屋の噂、聞きたいんじゃなかったのか?!」


『それを踏まえたうえで、あの恐怖に打ち勝つ怖い話を聞かせてください』


「ハードル高ぇ!!」




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