男子校に紅一点!!-桜龍篇-【完結】
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「おぃ、落ち込みすぎだろ」
『うるせぇ、お前なんかに慰められたくねぇ』
食堂までの道を、私を鼻で笑った綾と一緒に行く。
ちなみに、メイド服のままだ。
絶対、一生の恥だ、これ。
なんでもさっきの先生は、極度の女嫌いで、女装してる私を見てびっくりしたらしい。
『で、なんで俺はお前と行動せにゃならんのだ』
「あいつら、族の仕事入れたから」
『なんでお前はいるんだ』
「新人の面倒みてやれって希がうるさかった」
はぁ~、と溜息をつく綾。
付きたいのはこっちだわ、バカ者。
しかも歩くの速いしっ!!
気づけば、綾は2mほど先にいた。
『くっそ、このブーツ歩きづれぇ!!』
あの変態教師、訴えてやる!!
と、ガッツポーズをした手をぐいっと誰かに引っ張られた。
『へ?・・・むぐっ』
驚いて振り返ろうとすると、口にハンカチみたいなのを入れられた。
『うぐっ…むぅ~!!』
羽交い絞めにされた私。これじゃあ手が出せない!!
綾に助けを求めようとしたが、残念なことに、あのアホは10mほど先を歩いてて、こっちに気づかない。
「ちょぉっと静かにしててくれな」
「まじ可愛いんだけど!!」
「ほんとに男かぁ??」
上級生らしきやつらに空き教室へと引きずり込まれた。
ってか、こいつらキモイ!!気安くさわんなッつの!!
ちょっと、前触れもなく突然こんなピンチに陥っちゃったよ、どうしよう!!!