Don't leave
―――ーーー‐‐…

「お疲れ様でした!」


勢い良く会社を飛び出す。

手にはちゃんとプレゼントを持って。



仕事はキツかったけど、今日もまた、つかささんに少しでも早く逢いたくて頑張った私。



つかささんと逢う時だけ仕事早いよなぁ私。

いつもの事だけどあまりにも単純すぎて、思わず笑った。



ふふふ。


マフラー喜んでくれるかなぁ。


10月からずっと眠っていたマフラーが、早く首に巻いてと言ってる気がする。



きっと似合う、きっと。

そして私はニヤニヤして見惚れるんだろうな。


その場面と私達のやりとりまで安易に想像がつき、ニンマリしそうになってしまう。



待ち合わせ場所には、案の定つかささんは来ていて。



「はい!これ。この間忘れてしまったプレゼント。」


車に乗り込むなり私は紙袋をつかささんに渡す。


「あ。ありがとう!嬉しい…」



そう言って頬を緩める彼の顔を見て、

幸せだと思う。


今開けはしないだろうから…

もしかしたら私の前では開けないつもりかもしれない。


それはそれで、いっか。


「大した品物じゃないけど、でもつかささんの事考えながら一生懸命選んだよ。きっと似合う。」


ネクタイも少し悩んだんだけどね、本当は。


でもやっぱりマフラーで良かった。

マフラーを沢山持ってるって話してたつかささんだけど…

その中で1番のお気に入りになってくれたら、嬉しいな。





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