Don't leave
私がどれだけいつも癒されているか。



感謝してもしきれない、その存在に。








―――いつもと同じように2人だけの時間を過ごした後は、残酷なまでのスピードで、バイバイに向けて時が進む。



年始はいつ逢えるの。

いつ…?



それだけがグルグルと脳内を支配している。



少しの間も離れてたくないのに、1週間以上は長すぎるよ。


年末年始なんていらない。


カレンダーの赤日なんて、連休なんて、


私にとっては苦しいだけなんだもん。




時計はもう6時前。


この車が駐車場に入る時に…絡ませたこの手を離せば、後は他人行儀に大袈裟にお辞儀をしながら…私は車から降りるんだ。

決して振り返らずに、


いつもの厳しい表情を顔に貼り付けて。





そして保育園の門をくぐる。



それは出逢ってから今までずっと繰り返されて来た、別れ間際の、私達の『演技』………






彼の車を降りた瞬間から、身を焦がす痛みを感じるのに。



欠乏症はすぐ始まるのに。





振り返って手を振るのはタブー。





< 141 / 229 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop