Don't leave
「すみません!遅刻だぁ…いやもう焦った…」



目の前に現れた、

相変わらず優しい表情のレフィさんは心底申し訳なさそうにしていた。


「サイトの不具合?」


「いや…悪戯メールや悪質なのが沢山来るから、指定したアドレスからじゃなきゃ受信しないようにしてて…その関係かも…」



なるほど。

昨今の悪戯メールや悪質メールは半端じゃない。

私も何回も拒否リストの作り直しはしている。


奴らは悪質で1つのアドレスを拒否しても次々とアドレスを変えて送ってくる。

ドメインごと拒否すればしばらくはおとなしくなるが、また似たようなのがわんさか来る。

キリがない。



「でも…仕事の都合で今日ダメになったとかじゃなくて良かった。」


「良くないです。せっかく早く会えるはずだったのを…」



ドキッとした。


早く会えるはずだったのをって…


それって、

まるで、


遅刻して時間が少し無駄になったのを残念がってるみたい…


って馬鹿馬鹿!


何都合の良い解釈しちゃってるの私!



「じゃ、行きましょうか。」


前回同様、レフィさんは微笑みながら助手席のドアを開けてくれた。




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