Don't leave
そんな私の様子をレフィさんが笑いながら見つめて来る。


「これもお薦め。このドーナツも美味しいよ。こっちは焼き菓子ね…」


レフィさんが色々教えてくれるのを食い入るように見る。


ケーキ、ロールケーキ、ドーナツ、焼き菓子…


全部私を誘惑するんですけど!


散々迷った挙げ句、
選んだのは抹茶のロールケーキ。
ドーナツも選べばと言うレフィさんの声に逆らえず、ドーナツを幾つか。マカロンも幾つか。



「レフィさん、こんなにいいんですか?なんか悪い…」


「いいんですよ。帰ってお子さん達と食べて下さいね。」



「ありがとうございますっ…」



心が、じんわりと温かい。


私が普段から我慢に我慢を重ねた生活してるのを知ってるから…


こういう形で、

私を癒そうとしてくれている。


この人の、優しさ。


不覚にも、泣きそうになった。



「お腹すいてませんか?」


「ほんの軽くしかお昼食べてないから…お腹すいてると言えばすいてます…」


「じゃあ何か食べに行きましょうか。」





車の中では好きなアーティストの話で盛り上がる。


「もぉね、私だけじゃなくって子供達も大好きで、なんか聴くと泣けてきちゃって…」



コロコロ変わる話題、私1人で機関銃のように話すのに、

レフィさんは時々話に入ってくるだけ。


あとはずっと笑いながら話を聞いてくれて。



ああ、私、思い切り話せる人もいなかったのかな……



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