Don't leave
運ばれたオムライスを口に運びながら、

気付かれないようにレフィさんをチラ見する。




どこからどう見ても、普通のスマートな紳士。


なのになぜ?


この人は私の心を鷲掴みにする。

私の心を揺さぶって来る。


ああいけない。
オムライスの味がよく分からなくなる。


集中よ、集中!!








「このCDあげます。家で子供さん達と一緒に聴いて下さいね。」


帰りの車中、CDを渡された。


お気に入りのアーティストのCD。


「でも!悪いしっ…」


「それコピーだから気にしないで。ねっ、持って帰って下さい。」


満面の笑顔で言われるとそれ以上断れない。
だって好きなアーティストだし。
くれるって言うし。



結局、甘えて貰ってしまった。



「…じゃあまた。」



「…また。今日は色々と有り難うございました。」



楽しい時間は、あっという間。


もう少しだけ一緒にいたかったのに、

と一瞬思って、

すぐに打ち消した。



やあね、友達なのにもっと一緒にだなんて。

私ったら思考回路がイカれてる。




帰宅後、ロールケーキとマカロンとドーナツがあっという間に無くなったのは言うまでもない。



レフィさんありがと。


凄く美味しかった。



心の中でそっとお礼を言う。




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