Don't leave
…案の定早く着いて、私達は車の中で話をしながら時間を潰した。



10時になるのを待って車から降り、

手を繋ぐ。


腕も組める。




泣きたいくらい幸せ。




そんな事を思いながら、私達はブラブラと歩き回り、レトロな街並みを目に焼き付けながら、散策を楽しむ。




「次はあそこ。」



こういう場所の醍醐味はやはり数多く点在するお土産屋。


あれこれ見て回ってニマニマしたり、はしゃぐ私の後ろを彼が微笑みながら歩く。



その中にガラス館があって、ガラスで作られた色んな物が私の心を揺さぶる。



綺麗だし可愛い。


特にアクセサリーには目が釘付けになる。


精巧な造りの、薔薇のネックレス。



いくつもあるアクセの中でも、どうしたって私の目を奪うのは薔薇のネックレスで、いくつか、これ欲しいなぁと思うものがある。


私ったらどれだけ薔薇好きなのよ。


半分呆れてしまいつつ。



「結子、こっちは天然石のコーナーだよ。」



これもまた私の好きな物だからたまらない。


吸い寄せられるように私は天然石コーナーに行き、ぐるぐる回りながら色々なアクセサリーを眺める。



へぇ…


キャッツアイって、


こんなに色の種類が沢山あるんだ…?




そして私の目は、綺麗なピンクの、石が涙型したシンプルなネックレスに釘付けになる。


これがローズキャッツアイ。


縦に綺麗に入ったキャッツアイ独特の模様。


石の角度がどう変わろうとも、猫の目のようなその模様は変わらない。


こんなに大きな石なのに、きっと石が上質なんだな…


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