Don't leave
つかささんがニコニコしながら、袋に包まれたネックレスを持って来た。


「はい。どうぞ。」


「…ありがと…」


悪いなぁと思いながら結局、嬉しさがどんどんこみ上げて来て、

トイレに行った時にネックレスをつけてみる。


鏡に映った私と、首からぶら下がって揺れるローズキャッツアイ。


「…綺麗…」




大切にしよう。
いつもつけていよう。


この右手に掛かるブレスのように。


いつも彼をそばに感じるように。



トイレから出て彼のもとへ向かうと、私の胸元で独特の輝きを放つローズキャッツアイを見て、彼は満足そうに笑う。



「よく似合ってる。…綺麗だね。」



きっと石を綺麗だと言ったのだろうけれど、凄く恥ずかしくなってしまう。


「ありがと、大切にするね!」


私は照れ隠しに別の方角を見ながら早口に言った。


それからまたしばらくブラブラして、お昼ご飯を食べる事にした。


この辺りは焼きカレーの店ばかりで、歩けばそこいら中からカレーの匂いがする。


「何食べる?」


うーん。


カレーの匂いはとても空腹を刺激するけど、イマイチ食べたいという気にならない。


ふと足を止めてメニューを何気なく見たお店に決めた。


「ここにする。種類沢山ありそうだし。」




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