美人カフェ“BLUE BIRD”
「ただ、そのためには『全て』を捨てなきゃならない」

セイさんが、冷たい目でいう。

「俺たちを信頼し、全てを委ねて、言うなりになる。プライドなんてずたずたになるぜ。…そんな覚悟、ある?」

「美人に、なれるなら!」

「ただの美人ではないですよ。知性と教養を兼ね備え、自分に誇りをもって生きる…それが、我々の考える『美人』の必要最低限の条件ですから」

「そう、ただ顔立ちを整えたいだけなら、整形した方が話が早い。」

それでも?

2人のハモりに浮かぶのは、倉田先輩の顔。

「はい!」

この好きな気持ち、譲れないから。

いつも優柔不断で、その場に合わせていた私が、即決したんだ。
< 27 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop