FAKE LIFE

家の窓からは電気が漏れていたが、ハルキは自分で鍵を開けて中に入った。

マキは２階にいるようだったが、きっと今夜も仕事だろう。
ハルキは台所で水を飲み、熱いシャワーを浴びた。

バスタオルを簡単に巻いて２階に上がり、寝室でパジャマを身につけていると、マキが顔を出した。

｢お帰りなさい。いつの間に帰ってきたの？｣

声をかけてくれたらよかったのに…と、マキはちょっと甘えた調子で身体を寄せて、ハルキの頬に触れるか触れないかくらいのキスをした。
アルコールの力の残っていたハルキは、そのままマキにキスをして、マキの柔らかい身体に触れたかったが、彼女が疲れた表情をしているのを見て取って、諦めてマキの髪に唇を寄せた。