Love and you
このときは大きなプロジェクトを抱えていた時期だった。
毎日大幅な残業で居残っていたグループに、金曜くらいはと定時で上がらせていたのを知っていた。
部下のリフレッシュにも気を使える、素敵な上司だと思った。
時計を見るともう0時を回っていた。
「そろそろ切り上げようか」
「・・はい」ぐいっと伸びをして息をつく。
「今日はホント助かったよ」
「とんでもないです。お力になれたかどうか・・」
ふっと課長は笑って「いつもそうだな、君は」
「え?」
と振り返ると、ぽんぽんと頭を撫でられた。
「いつもよく気がきけて、皆が気付かないところをきちんと修正してなにもなかったかのようにしてくれる。もっと自信を持った方がいい」
いきなり褒められて、戸惑ったと同時に恥ずかしくなった。