Love and you
「もし三上くんがよければ・・このあと食事なんてどうかな?」
さらっと紳士的に誘えるこの人を独占できている奥さんを、
初めてうらやましく思った。
はい、と頷くほかに考えられなかった。
連れてきてくれたところは、雰囲気のいいダイニングバーだった。
ご飯もお酒も最高においしかった。
バーの心地よい明かりのせいとか、
いい感じに酔ってたせいも関係あるのかもしれない。
ただ、仕事以外の顔も見てみたいって、
課長の魅力にどんどん夢中になっている自分が確かにいた。
「そろそろ帰ろうか。こんな時間まで付き合ってくれてありがとう」
3時になったあたりで、課長が切り出した。
ずっと続けばいいと思った時間が、終わってしまう。