Love and you



「三上さん?」


「・・あ、ごめん」


渡辺くんに声を掛けられて、現実に戻る。



あの日の夜の出来事は、今でも鮮明に思い出せる。
少し頬が火照っている。暑さのせいではなかった。



「ここよ、ランチも安くておいしいの」



既に中には奈々子が席を取っていてくれて、
あたしを見つけて手を振った。

「ケントくん、あきの研修どうだった?」

席に着くと、さっそく奈々子は渡辺くんに話しかけた。

「はい、とても分かりやすくてよかったです」

にこりと奈々子に笑顔を送る。


「かーわーいーい!!」


渡辺くんは奈々子の好みの顔。


恋愛対象ではないのははっきりとわかるけど。


「あんまりからかわないで下さいよ」


と照れる顔もまたかわいい。



< 13 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop