Love and you
「三上さん?」
「・・あ、ごめん」
渡辺くんに声を掛けられて、現実に戻る。
あの日の夜の出来事は、今でも鮮明に思い出せる。
少し頬が火照っている。暑さのせいではなかった。
「ここよ、ランチも安くておいしいの」
既に中には奈々子が席を取っていてくれて、
あたしを見つけて手を振った。
「ケントくん、あきの研修どうだった?」
席に着くと、さっそく奈々子は渡辺くんに話しかけた。
「はい、とても分かりやすくてよかったです」
にこりと奈々子に笑顔を送る。
「かーわーいーい!!」
渡辺くんは奈々子の好みの顔。
恋愛対象ではないのははっきりとわかるけど。
「あんまりからかわないで下さいよ」
と照れる顔もまたかわいい。