Love and you
「今の時期に?珍しい」
どんな子だろう、そんなことを考えていると彼の香りがふわりとした。
無意識にそちらに視線を送る。
彼の隣にかわいらしい男の子がきょろきょろしながら立っていた。
「ちょっと作業を中断して」
彼が一声あげると、みんなパラパラと声のする方に目を向けた。
「今日からここの部署に配属される、渡辺健人くんだ」
簡単な自己紹介を、と付け加えて渡辺健人の肩をぽんと叩いた。
「渡辺健人です。今日からお世話になります、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる。
「三上くん、ちょっと」
あたしの名前を呼び、会社の顔であたしを見る。
「はい」