Love and you



「今の時期に?珍しい」



どんな子だろう、そんなことを考えていると彼の香りがふわりとした。

無意識にそちらに視線を送る。


彼の隣にかわいらしい男の子がきょろきょろしながら立っていた。


「ちょっと作業を中断して」



彼が一声あげると、みんなパラパラと声のする方に目を向けた。


「今日からここの部署に配属される、渡辺健人くんだ」

簡単な自己紹介を、と付け加えて渡辺健人の肩をぽんと叩いた。


「渡辺健人です。今日からお世話になります、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げる。


「三上くん、ちょっと」



あたしの名前を呼び、会社の顔であたしを見る。

「はい」




< 4 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop