魚住の生き方
夜の仕事が終わり、ちょっとだけだと思って、アパートに寄り、夜食を作り、魚住の作業が一段落するまで、じっとひたすら見ていた。真剣にまゆを寄せて考える顔も好きだったけど、何か良いアイデアが浮かんで、一気に顔を緩ませて「俺って天才だ。天才だ」なんて良いながら、また静かに真剣な顔に戻っていくその一連の動作を私は愛した。そう、その感情に愛しているという言葉は、ぴったりだった。
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