魚住の生き方
十二時を過ぎて、もうそろそろお開きになるのかなと思っていたとき「おまえ、何て名前なんだ?」と魚住に聞かれて、一番最初に名乗ったし、名刺も渡したのにと思って、ちょっと悔しかったけれど、そんな事は顔に出さずに「冴子よ」と言ったら「顔に出てるぞ」と言われて、この男は、私の心の中が見えるのかなと思って、ちょっと怖くなった。
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