魚住の生き方
高校三年生の秋には、就職先が決まっていた。地元では、割と大きな美容室だった。研修にも何度か行き、就職して夜間の美容学校に行く事になった。親の負担と私の才能を考慮すると、妥当な道だった。私はそこで、何年か働き、いつかは自分の店を持ちたいと思っていた。手に職を付け、いつかは独立して自分の足で歩く。それが、ささやかな、だけど唯一の夢だった。
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