魚住の生き方
そして案の定、男は姿を消した。本気で探せば見つかるかもしれなかったけれど、そうはしなかった。それで帳消しにしたんだ。私の罪を。安いものかもしれない。そんなはした金では消えないかもしれない。でも、そうした。生き続けるために、必要だったから。いつまでも、後ろ向きには生きては行けないから。
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