そのオトコ、要注意。


「ほらほら。そんなカワイイこと、美羽に言っても何にもなんないわよ。そういうことは男に言いなさい、男に」

「えー、そういう環奈ちゃんはどうなのよ〜、『姫抱っこ』」

「あっ、それ、あたしも聞きたい!」


…助け舟を出してくれたのは感謝だけど、なんだか話が……。
大丈夫か?環奈…。


「なぁーに?そんなに気になる?」

妖しく笑う環奈に夢子ちゃんたちはコクコクと頷く。


「ないわよー。第一、あたしを『姫抱っこ』出来る栄誉ある男なんて、そうそういたもんじゃないし」

ヘタレばっかりよー、とケラケラ笑う環奈に一同はポカーン…。

だけど、辺りにはすぐに笑い声が響いた。


「確かにー!」

「ヘタレばっかでやんなっちゃうよね〜」


……。環奈、スゴい。
あんた、フツーにすごいわ。


「と、まぁ。ヘタレ男子を思う存分笑ったところで。そろそろ、すがやん来るわよ。ほら、解散〜」


環奈マジックにかかった夢子ちゃんたちは、ぞろぞろと席に戻って行った。


…ほんと尊敬します、環奈さん。



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