そのオトコ、要注意。
考えれば考えるほど、無限のループに嵌まっていく。
「美ー羽!おはよ!久しぶりじゃん♪」
「なんだ、環奈かー…」
後ろからかけられた声にも反応が薄くなるのは許して欲しい。
「ちょっとぉ。親友に向かって、夏休み明けの開口一番に『なんだ』はないんじゃない…って。何、その顔」
あたしの表情を見て、怪訝な顔つきの環奈。
そんな顔も懐かしくて、この目前の友の登場に一気に安堵する。
「環奈ぁーッ」
ガバッ
「は?ちょっ…、美羽っ?」
あたしが思わず抱き着いたこの子は、親友の 西森 環奈(ニシモリ カンナ)
小学校からの腐れ縁で今までずっと一緒だった。
しっかり者で大人で、でもちょっぴりお茶目。
しかも絵に描いたような美人。
勉強も運動もできる子。
…天は二物を与えない、っていうのは絶対嘘だ。
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