そのオトコ、要注意。


話が終わっても環奈は俯いたままで顔をあげない。

その姿があたしの対応の悪さを物語っている気がして、さらに落ち込む。


「プッ」

えっ?


そこには笑いを堪えたような親友がいた。

あたしは訳がわからなくて呆ける。

そんなあたしを見てさらに噴き出して笑い出した。


「なんなのよ〜ッ」

「ごめんごめん。笑うつもりはなかったんだけど」

なんて言いつつ、環奈の顔にはまだ涙が。

「人が真剣に落ち込んでるのにぃ〜」

さっきまで凹んでたはずなのに…。
環奈のせいで吹っ飛んでしまった。

「ごめんって。だって、あんまりにも美羽がバカカワイイからさ」

む。

「ちょっと。それって誉めてんの?けなしてんの?」
「まぁー、一応誉め言葉なんじゃん?」


あたしが聞いてんですけど。
しかも、一応って…


.
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