そのオトコ、要注意。



†††


時を同じくして、校内のとある場所。

4人の女達が集まっていた。


「明日の例の件……、当然わかってるわよね?」

高圧的なその言葉と目に、3人は内心怯えつつも応える。

「準備はすでに整っています」

「必ずや首尾よくいきます」

「あとは明日を待つのみです」

3人だって学園の王子様を一人占めした女が憎くないわけではないのだ。
何の取り柄もない凡人ならなおさら。

だからこそここに集った。


「笹原美羽……、目に物を見せてくれるわ」

ふふっ、と美しい顔を歪ませて笑う。


「明日が楽しみね」

クスクスと口に手をやり愉快そうに去って行く彼女を、3人はその場で見送った。


建物の陰から太陽の光の許に出た彼女は、まるで天から祝福を受けているようだった。



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