そのオトコ、要注意。


「環奈って時々…」

「なぁによ?」

「いえ、なんでもありません」

この親友には口でも勝てない。


「そんなに笑える話…?」
あたしはやっぱり不思議だった。


「…だってさぁ、美羽のナイスな英語がね」

もうツボで、と笑いを滲ませた声。

それだけ言われれば、さすがにわからないとは言えなかった…。

あたしの顔は羞恥で赤く染まる。

「あ、あれはしょうがなかったの!いきなりでパニクってたし!」

「それにしても『ワタシ ノーイングリッシュ です』はないでしょ」

「う゛ッ!」

弁明も虚しく玉砕。

「あたしだって、自分がこんな英語できないなんてビックリだよ!」


何度も考えたことがある。
『どうして英語は日本語じゃないんだ』って。


「まぁ、その人もよかったんじゃないの?逆にさ」


どーゆー意味よ。


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