そのオトコ、要注意。
「やっぱり彼、かなりの上物ね。なかなかのイケメンだし」
分析を終えた環奈が頷きながら言う。
滅多に男の人を誉めない環奈の御眼鏡にかなうほど、彼は端整な顔立ちをしていた。
「確かに…。怖いくらいに綺麗な顔だけど…」
「?」
今も完璧とも言える笑みで惜しみ無く笑顔を振り撒いて女子と会話している。
女子サイドは、そんな彼の目に留まろうと必死なのがわかる。
…だけど。
彼はどこかヘンな気がする。
「なんていうか、あたしはちょっと…ああいうの」
「ちょっとって?」
「うーん…あまり関わらないほうがいいってこと、なのかも…」
ぽつとこぼした矢先。
「それは無理ね」
環奈の即答に思わず、ホントに思わず。
「ええぇッ!!?」
口を慌てて噤んでも、辺りが静まり返ってることが証拠。
や、やってしまったッ!
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