そのオトコ、要注意。



「どーせ嘘だろ、んなもん」

う゛ッ!

あたしが言葉に詰まってると。


「図星、だな。つーことで、もう決定事項だから。頼んだぞ」



――ここであたしに救いの手が。



さっき、有栖川くんの周りに群がってたであろう女子の一人が

「すがや〜ん。美羽ちゃん嫌がってるみたいだし、あたしが有栖川クンを案内したい」

と、名乗り出た。


おっ。
そーじゃん。わざわざあたしなんか出る幕でもないし。
需要なんていくらでも―――


「だったらあたしも立候補したい!」

「わたしだって!」

「あたしもやりたい!」


と、すごい勢いで四方八方から飛び交う声。


やーん。
みんな必死すぎー。


一方、渦中の人物、有栖川くんは―――


.
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