そのオトコ、要注意。


――やっぱり。


この騒ぎも、有栖川くんにとってはどこ吹く風。


…なんか読めないヒト。


さすがのすがやんもこの騒ぎに嫌気がさしてきたらしく、その声を轟かせる。


「おい!笹原がなんと言おうとお前らがなんと言おうと案内すんのは笹原、だ。めんどーだからSHR終わったら他のヤツは散れッ!俺の仕事無駄に増やすな!」


…結局本音はそこか。
頼むから給料分ぐらいは働いて下さいよ、センセ…。


こうしてあたしはグータラダメ教師のもと、有栖川くんの案内役を任される羽目になった。


あんなサイボーグみたいなのと放課後まで一緒なんて……
ああぁあ、窒息死する……。



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