そのオトコ、要注意。


そりゃあ、百歩譲ったとしても?
あたしのほうに欠陥があったなんて百も承知だし?

……だけど、そんな風に揚げ足取るような真似しなくたって…。


あたしは顔がヒクヒクするのを感じた。

目の前には非の打ち所のない美貌を持つ男。

こうゆうのを絶世の美女ならぬ、美男子というのか。

あたしはその神々しいまでのオーラに怯みそうになりながらも、そいつから目を逸らさまいと手に汗握りながら堪えていた。

目を逸らしたら負け、だと。
そんな気がしたから。


沈黙がさすがに痛くなってきたとき。


「……思った通り」


あたしの睨みも余裕でかわし、ニヤリと笑みを浮かべた。


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