そのオトコ、要注意。
「それってあの留学してた?」
お母さんが美味しそうなモノ達がのってる皿を運びながら話に割って入ってきた。
妙に話のわかるお母さんにあたしは自然と訝し気な顔になる。
「あら。前にお父さんが『社長にも美羽と同じ歳の息子がいてね…』みたいな話してなかった?」
…うん。まぁ、いいや。
そんなあたし達の会話をよそに、お父さんが取り留めのない話を話し出した。
「そうそう。そのご子息がまたしっかりしててね――」
な、なんかお父さんってば…
お父さんはお母さんに任せて目の前の食事にありつくことにした。
だって!
せっかくの香ばしいトーストちゃん達を待たせておく訳にはいかない!
「お父さんは結局何が言いたいの?」
一足先に食べ始め、よくわからないその話を全く聞いてなかったあたしはお父さんに問いかけた。
「あぁ…悪い。話が脱線してしまったな」
なーんて、苦笑いするお父さんもカッコイイ。
「それが、そのご子息がこの辺りの私立高校に編入するって聞いたもんでね」
え。
ってことはさ…
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