そのオトコ、要注意。

「いーもん!友輝にはどうせわかんないよッ!」

「ガキ」

つーか、親父の身にもなれよ、なんて口を聞いてくる。


…ぬぁにおう?

あたしが友輝をギロッと睨む。


「ま、それも長く続かねぇだろーけどな」

「はぁ?!」


「あんた達、何言い合ってんのよ。ご飯の用意出来たわよ」

お母さん登場。
…やっぱり友輝はいつだって正しいみたい。

「あ、美羽。早く宏輝さんから離れなさい?」

「ふぇ?」

「あたしがヤキモキ妬く前に、ね」


……ああ、そゆこと。


それを聞いたお父さんがあたしを引きはがして「瑠美…」なんて、嬉しそうな顔しちゃって。


はいはい。邪魔者は退散しますー。
ごちそーサマです。

っていうか、実の娘にまでヤキモチ妬くのはどうかと思うよ、お母さん。


なんかアホらしくなったあたしは、2人を余所にすっかり慣れっこな友輝と一緒にご飯をいただいた。



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