そのオトコ、要注意。
いよいよ投票の結果&残りのキャスト、スタッフの発表。
投票ついでに一応本人の希望も取り、あとは調整して配役・スタッフが決まることになった。
さすがに量があるので、ここの集計、開示は「慣れてるから」と言うHR委員長・副委員長、会計、書記に委ねた。
まぁ、まんまとあたしは委員の勤めを果たしていないわけだ。
「それじゃー、結果を言ってくんでヨロシク。まずは衣装・メイク班から―――」
続々と発表され、スタッフが決まっていく。
その影響もあってか教室内はいつも以上にザワつく。
「はい、静粛にー!次、キャストー。キャストは主役から順々に発表します」
「んじゃプリンス役…」
ゴクリ。
みんなの緊張感が伝わってくる…。
「――有栖川くん。よろしくね」
「「「キャーッ!!!」」」
すっごい歓声。
隣のご本人、「期待に沿えるように頑張ります」なんてもっともらしいこと言っちゃってるし。
腹の中じゃナニ考えてんだか。
呟くように言ったつもりが環奈は目敏く聞こえたのか、あんた放課後の一件以来だいぶ偏見ね、なんてニヤニヤ顔。
…そのくらい許してほしい。
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