そのオトコ、要注意。


それに反応したのはクラスメイト達。

「ルイ様、体調不良?」

「それってヤバくね?」

「しばらくっていつまで〜?」

「準備、大丈夫かよー」


口々に心配の声が上がる。

なんか聞き捨てならないこともポロッと出た気もするけど…


「まぁー、そんなに長くはないだろ。笹原は大変かもしれないが、頑張れよ?」

あたし?

「有栖川がいない間、実行委員はお前だけだからな。当然、あいつの分までお前が動くことになる」


え。

「まじですか……」

「つーことで。早速、今日の昼休み返上でオレのところに来ること。来なかったら…」

「来なかったら…?」


そこでニッと嫌な笑みを浮かべる。

ゴクッ。
みんなの喉が鳴った気が――

――キンコーンカンコーン…――


ガタガタと崩れ落ちる、コントさながらのクラスの反応。

見計らったような鐘の音にみんながずっこけた。

すがやんなんて、そんな様子も意に介さず「笹原、頼んだぞー」と放置して出ていく始末だ。


もう…

あたしを無断で委員にしたくせに、自分だけバックレるな!


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