そのオトコ、要注意。


それを環奈が見逃すはずもなくて。


「やっぱり…」

短いため息をついてから、

「有栖川くんと何かあったのね?」


問い掛けられるその言葉に少し固まる。


環奈は頭が良いから、少ない情報でもわかってしまうのかもしれない。
それに。
あたしのことを小さいときから家族並に見てきているから。


これ以上黙っていられなくて、あたしは重たい口を開いた。



.
< 81 / 142 >

この作品をシェア

pagetop