水しぶきあがる季節に。
俺はひょこひょこと杏ちゃんの隣に座った。
「ってゆうか海斗くん。なんでこんな時間に?」
「えと、宿題忘れちゃって、それを取りに!」
嘘ついちった。
「そっか。ちゃんと取りに来るなんてエライね」
「ま、まあね…」
しばらく沈黙が続いた。
「そろそろ、あたし帰るね。なんか付き合わせちゃってごめんね。」
そう言って杏ちゃんは立ち上がる。
「大丈夫」
「じゃあ、また明日」
手を振って早々と帰ってしまった。
き、緊張した──!!
あ
彬との約束…。
電話しなきゃ!!