騙してみせて!
「そういやお昼食べた? まだだったら食べに行こうよ」

郊外の商店街を歩いていると、紺野くんが口を開く。


「うん、行く!」

待ちに待っていた言葉を聞き、あたしははしゃぐ。

もともと昼食を食べさせてもらうために"彼氏"をデートに誘ったのだから。

この計画を達成できたなら、何をしても構わないと思ってる程、空腹。


「よかった。俺、お腹ペコペコなんだよ」

紺野くんはふわりと笑うと私の手を強引に掴み、駅まで走りだした。
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