騙してみせて!
「そう? でもこういう所、ナツエ一人じゃ来れないよ」

受け答えもナツエ風に。
しっかりナツエになりきる。

そうすれば、今はナツエだってこと忘れないから。


「一人でこんな所に来られちゃ困る。ナンパされるかもしれないだろ?」

「ナツエ、ナンパされるのは紺野くんだけで十分だよ」

そう、紺野くんとの出会いはナンパ。

生真面目な紺野くんがナンパなんて信じられないなんて思ってしまうけど、それはあたしの作戦勝ち。

紺野くんの事は初めて出会う前から知っていてわざとナンパされるように仕向けた。

勿論、そんなことできるわけないと思ってたからナンパされた時驚いて声も出なかったのを覚えてる。

と、同時に紺野くんの性格も確定され、ナツエという仮面も作られたのだ。
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